【私家版歌集紹介】御殿山みなみ/佐伯紺/橋爪志保/水沼朔太郎『ベランダでオセロ』

こんにちは、短歌プラットフォーム「さんばし」です。

 

 

私家版歌集紹介第2回は御殿山みなみ/佐伯紺/橋爪志保/水沼朔太郎『ベランダでオセロ』です。

 

よくはねてジョニーと呼べばまたはねて典型的な寝ぐせですなあ

自撮り棒しつちやかめつちやか一様に背を向けられてをり金閣

曇天の空に日傘を棹させば海をさびしいとは思わない

御殿山みなみ

 

机の群れを島と呼ぶこと 駆けながら 海にならない足元のこと

つぎつぎにインクが切れてなしくずし的に色とりどりの手紙だ

桃を剥けば桃の香りのしつづける指先をずっとこのままがいい

佐伯紺

 

手も足もゆたかにふやけまひるまに入る湯船は明るい棺

紫陽花が散らずに腐る 罰だろうきみの言葉に救われるのも

せっかくのきみがひらいた窓だから窓枠が外れるほど笑う

橋爪志保

 

幸せになったつもりの水たまりこれから起こることも知らずに

駐車場にだれが植えたの薔薇の花ながら見だけで今日もなんだか

ときは流れ 両手で3つのつまようじ 三角形をひとつ作った

水沼朔太郎

 

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〈書籍詳細〉

御殿山みなみ/佐伯紺/橋爪志保/水沼朔太郎『ベランダでオセロ』

頒布価格:800円

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通販

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大阪府中崎町 葉ね文庫

その他

2018年11月25日 文学フリマ東京

 

〈著者より〉

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