『さんばしvol.1』相互評 [評]しま・しましまさん [作品]御殿山みなみさん

こんにちは、短歌プラットフォーム「さんばし」です。

 

いよいよさんばしによる同人誌『さんばし vol.1』の発行日、11月24日が迫ってきました!

目次はこちらです。豪華なゲストにご注目ください。なんと80ページにもなってしまいました…!

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今日からは、ゲスト同士の相互評を公開していきます。

今回はしま・しましまさんに、御殿山みなみさんの一首を評していただきました。

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エアシャーペンのノックをしてるやつみんな爆弾魔だろ 見たことはない

御殿山みなみ(『さんばし』vol.1「ハンドサイン」より)

 

 実際に「エアシャーペン」をノックするしぐさをしてみると、爆弾の遠隔操作といわれればたしかにそういう感じがします。誰かがそんな仕草をしたのを見て、作者はふとそういう連想をしたのかもしれません。そこから「エアシャーペンのノックをしてるやつ」の「みんな」と一般化させて、単発かもしれない「爆弾」ではなく「爆弾魔」としているところがまず面白いと思いました。四句目の「だろ」という推定というよりはその断定に同意を求めるような助動詞から、そうであってほしいという気持ちが窺えるような気がします。爆弾はロマンと言ったら語弊があるかも知れないけど、あちこちで幻の爆発が起きる、あるいはどこか自分の知らない場所で爆発が起きているのかも知れないと想像することは、少しだけニヤリとさせられるような気がします。そこからの一マスあけての結句「見たことはない」で、ふいに突き放されるような気持ちにさせられます。それまでのフレーズを混ぜ返すような「いやしらんけど」的なゆるい予防線とは趣の違う「見たことはない」という冷静なつけたし方。やすやすと共感させてやらないよと、読者と境界線を引いているような結句があとを引く一首と思いました。

しま・しましま

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『さんばし vol.1』は2019年11月24日の文学フリマ東京(公式サイト)にて発行されます。

その後通販も開始予定です。

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